こんな症状がありませんか?
これらの中で思い当たることがあれば歯医者さんにご相談ください。
こんなことがありませんでしたか?
顎関節症とは?
顎関節症の症状は、「あごが痛む(顎関節痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つで、このうち一つ以上の症状があり、鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎(がく)関節症」といいます。
成人の46%に(若い女性に多くみられます)顎関節に何らかの症状があると言われ、上の様な症状を長期間放置し、ひどくなると、口が開かなくなります。最近はストレス社会の影響からか、男性でも顎関節症を訴える人が増えてきています。
治療法−保存的治療法−
多くは保存的治療をまず行ないます、 鎮痛薬の規則的な服用で、関節内の炎症を鎮めるとともに、スプリントといわれる、プラスチックのマウスピースの様な物を歯列全体にかぶせる保存的な治療が一般的です。これは、かみ合わせを調整しながら、噛みしめ時の関節の負担を軽くする治療法です。
このほか、筋肉のマッサージや温湿布で血行をよくするなどの理学療法的な方法も効果的です。
顎関節症の画期的治療!マウスピース(スプリント療法)について
顎関節症の治療では、たいていの方にマウスピースを用いた治療が行われます。
これは、手軽でありながら多くの方に治療効果が見られるためです。
ここではマウスピースを用いたスプリント療法について説明します。
【マウスピース・スプリントとは?】
顎関節症の治療で用いられるマウスピースは、歯にぴったりと装着する器具で、装着してしまえば、一見してマウスピースをしていることは分かりません。歯科治療域では、このマウスピースを”スプリント”と呼びます。このスプリントは、主にあごの筋肉の痛みと、その緊張を和らげるために使用されます。顎関節症による痛みがなくても、歯をかみしめたり、歯ぎしりがある人には、その癖を直すために使用されることがあります。
薄いプラスチック製のスプリントを、上あごの歯か,下あごの歯にかぶせて、噛みあわせが均等になるように調整します。この調整が簡単に行えるのもスプリントの魅力です。スプリント療法で行う通常の検査やスプリントそのもの費用は、健康保険の適用となるので、治療にかかる費用は4,000円程度です。
【スプリントはいつ使う?】
スプリントは主に夜間寝ているときに使用して、昼間や食事の時にははずして生活します。歯ぎしり防止のためには、夜間のみの使用で十分に効果が得られますので、生活に制限が起こりません。日中に痛みがある人の場合は、日中もスプリントを装着することで、あごの筋肉の緊張がゆるめられ、かみ合わせを安定させて不快感を減らすことができます。1日を通じて使用しても問題はありません。通常、ほとんどの場合、スプリント療法は8週間以内に症状が治まりますが、使用を中止すると顎間節症の症状が再発するため長期的な使用が必要になります。
治療法−外科的治療法−
顎関節症は発症直後であれば保存的治療により治癒が可能です。しかし、長期間放置すると顎関節の組織自体(骨や関節円板)が変形し治癒が難しくなります、病態によっては潤滑剤(ヒアルロンサン)を関節に直接注入したり外科的な内視鏡手術を行う場合もあります。
治療はセルフケアが中心
顎関節症は生活習慣病的な部分が大きいため、患者自身が行う自宅療法(=セルフケア)が治療の中心となります。
顎関節症を起している歯ぎしりや偏咀嚼などの悪習癖やそれを誘発する背景などを把握してそれらを取り除くことをしなければ根本的な治療にはならないともいえます。それは症状の改善とともに再発の予防にもなります。
治療後の経過
一度、症状が消えても腰痛などと同じで、無理をするとまた症状が出てくることもあります。顎関節症に一度なったら、スルメイカ、ビーフジャーキー、タコ、など、奥歯でかみしめる食べ物や、仕事やスポーツで歯をかみしめる癖、テレビを見るときや勉強するときにテーブルに顎肘(頬杖)をつく癖、うつぶせ寝の禁止。
これらを意識して行わない様にあごに負担のかからない生活を心がけることが必要です。